木材試験場の再整備始まる
木材試験場は昭和44年に創設され、これまで県産材及び北洋材に関する研究、技術普及を通じて富山県の木材産業、林業と密接に連携しながら活動してきました。しかし近年、品質、価格面で優位な北米・欧州産の木材製品の増加や改正建築基準法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の実施に伴い、木製品の品質・性能の明確化やシックハウス対策等が求められており、消費者、業界の新たなニーズに対応するため、木材を軸とした循環型社会の構築に資する木材試験場を再構築するものです。
(1)誰にでも利用しやすい施設
T 施設全体の一体感を生み出す建物配置
U 建物の外周を車道、内側を雁木回廊とする安全で円滑な人と物の移動
V 木材利用普及センターと連携がとれた施設配置
(2)地域材利用のモデル的木造施設
T 地域材の需要拡大に繋がる展示効果を持つ施設
(大断面木造架構による大規模無柱空間)
U 富山の気候・風土にあった施設(地域材の活用、耐雪・耐震性)
V 省資源・省エネに配慮した施設 研究開発、技術支援、木材の普及啓発の3つの役割を積極的に果たしていきます。
(1)県産材・北洋材の用途拡大研究開発
T 木造建築物の部材・構法開発
乾燥度、強度等の品質が保証された製材品、集成複合材や内外装木質パネルなどを用い、富山の多雪・多湿気候に適した構造安全性、居住性に優れた木造建築物を開発します。
U 耐久性・難燃性に優れた木質製品開発
安全性の高い木材保存、難燃処理技術を確立し、生活に身近なストリートファニチャーや木製家具類、外壁・屋外木製品を開発します。
V 木質バイオマスの有効利用技術開発
林地残材、工場廃材、建築解体材等の堆肥化、炭化、液化、有効成分の抽出技術等を開発し、農用資材、燃料、化学製品等への用途を開きます。
(2)業界への技術支援
オープンラボの思想を採り入れ、研究設備を開放するとともに、最新の試験装置・設備を活用した技術指導、依頼試験及び産官学の共同研究に積極的に応えていきます。また、各種マニュアル書の作成や研究成果発表会、講習会など、様々な機会をとらえて技術の普及に努めます。
(3)県民への木材の普及啓発
木の文化と循環型社会構築のシンボルとなる施設整備を行い、県民の方にも気軽に来ていただける開かれた試験場を目指します。また、移動試験場や子供科学教室を始め木材利用普及センターとの連携を図り、木材の良さ、木造住宅の住みやすさを普及啓発していきます。