雪国のスギ人工林では、昨シーズンも含め、これまで幾度となく冠雪害の被害を被ってきました(写真1)。
この被害を克服する技術を確立することは雪国の悲願でした。嘉戸副主幹研究員は、56豪雪以来この課題に取り組み(写真2)、被害を未然に防ぐ方法を開発しました。
その功績が認められ、平成16年5月25日(火)、東京都港区虎ノ門の「虎ノ門パストラル」において開催された社団法人日本林業技術協会(6月11日より(社)日本森林技術協会に改称)の第59回通常総会の席上で、嘉戸昭夫副主幹研究員が第50回林業技術賞を受賞しました。
林業技術賞は、(社)日本林業技術協会が林業技術の向上に貢献し、林業の振興に功績があるものに対して贈呈する賞で、林業分野ではたいへん権威ある賞として広く知られています。
●受賞の対象となった研究課題
冠雪害の危険度評価法に関する研究とその実用化
●受賞の対象となった研究概要
その方法は、対象とするスギ林の平均樹高、平均胸高直径、林齢の調査結果と立木の強度を比較して、この林分で冠雪害が発生する降雪量(限界降雪量)を推定します。その地域の日最大降雪量が、この限界降雪量よりも高い場合、冠雪害の危険性は高くなります。そこで、システム収穫表に基づいて間伐を実施すれば、冠雪害の危険性が少ない林分へ誘導することができます。
この「冠雪害の危険度評価法」と「システム収穫表」は、パソコンを利用して判断します。ですから、パソコンを使える方であればどなたでも利用することができます。