栗�ｱ主任研究員に木材保存学術奨励賞

　

　木材試験場の栗�ｱ主任研究員が、５月２３日（月）東京都港区メルパルク東京で開催された（社）日本木材保存協会の第27回通常総会で、木材劣化や保存処理に関する優れた学術研究業績に対して授与される、同協会の「第２回木材保存学術奨励賞」を受賞しました。

○受賞の理由となった研究課題

「温冷浴を用いた簡易保存処理の研究」

○研究成果の概要

　木材保存法のうち、比較的小規模な設備で対応可能な温冷浴法（木材を沸騰水中で加熱し（温浴）、次に冷たい薬液で冷やし（冷浴）、木材中に防腐剤を吸収させる方法）に注目し、防腐効果や安全性が確認されている薬剤（ＡＡＣ：アルキルアンモニウムクロライド）を使用することによって、低コストで安全な方法を開発したものです。
　この成果は、治山工事用木材の防腐処理や外装材の保護処理に応用されるなど、今後の普及が期待されます。

藤澤主任研究員に森林技術賞

　木材試験場の藤澤泰士主任研究員が、５月２４日（火）東京都港区虎ノ門パストラルで開催された（社）日本森林技術協会の第60回通常総会で、森林技術の向上に貢献し林業の振興に功績があるものに対して授与される、同協会の「第51回森林技術賞」を受賞しました。

○受賞の理由となった研究課題

「機能性薄膜を転写したスギ内装材の開発と実用化」

○研究成果の概要

　スギ内装材の表面処理の新技術として、従来の塗装処理と異なり、薄膜（剥離層、機能層、熱接着層の三層構造で厚さ約6ミクロン）を加熱プレス機で転写することにより、木材の持つ調湿性と素材感を生かしたまま、均一な色調整が可能で、耐汚染性に優れ、かつ揮発性有害物質を放散しない内装材を開発したもので、「薄膜転写木材の製造方法」として特許登録もされています。
　また、この製造方法は、設備費が比較的安価で少量の受注にも対応可能であり、富山県中央植物園ホールの内装材として採用されるなど、今後の波及が期待されます。