研究情報
「廃食用油から木材保存剤」が
農林水産研究高度化事業に採択
平成17年度の農林水産省の提案公募型研究推進事業「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」に、木材試験場の応募課題「廃食用油からの木材保存剤の創製と国産材エクステリア※注の高耐久化」が採択され、平成19年度までの３ヵ年、実施することになりました。
木製エクステリアは、年間150億円と試算される市場ですが、スギなどの国産材は干割れ箇所から腐朽しやすいため、イぺなどの輸入高耐久樹種に人気が集まっています。国産材のシェアを拡大するためには、干割れ腐朽対策が不可欠です。木材試験場では、平成15年～16年度の県商工企画課フロンティア研究推進事業において、廃食用油から生成した「銅石鹸」が防腐効果を有することを見出しています。本研究では、この基盤技術を活かして、廃食用油から安全で干割れ腐朽に有効な保存剤を創製し、国産材エクステリアの耐久性向上を図ります。このことにより、エクステリア市場におけるスギなど国産材の台頭を目指します。
研究は、図のように県内外の５機関が共同して実施します。保存剤の防腐防蟻性能に関する研究を木材試験場、環境影響に関する研究を富山県立大学、製造技術の工業化に関する研究をシントーファイン株式会社、木製エクステリアへの応用に関する研究を横浜国立大学、そして現場処理技術の確立と試作品の総合評価をエコーウッド富山株式会社が担当します。
※注：エクステリア
建物の外回りや周辺域の堀、門扉、垣などの屋外構造物や植栽の総称。外構。
＜問い合わせ＞木材試験場 栗﨑 宏
